題材13 卒業式の感動を育てる共同制作

卒業式の感動を育てる共同制作
 
(1)題材名
  卒業制作「3年◯組・卒業のポーズ!」
(2)指導の目標
  卒業のイメ-ジを「飛躍のポーズ」として捉え、学級共同で大画面に挑戦し、卒業式に披露し、後輩達へのメッセージとする。
(3)領域、学年、時期、時数、材料、用具等
  絵画、3年、3学期、8時間、長尺画用紙(1m×10m)ポスターカラー等
(4)題材設定の理由
 中学校教育の最後を飾る卒業式に卒業合唱が取り入れられ音楽科が脚光を浴びる例は多く、それらの題材も沢山作りだされている。 美術科でも最終の題材として学級及び学年単位の共同・協力による「卒業制作」の題材が必要である。教科のねらいに合致するとともに卒業式を華やかに飾る作品として共同制作に取り組ませたい。美術科教育の締めくくりの題材として学級及び学年を単位に大規模な共同制作に取り組ませたい。
 三年生の美術の時数は週一時間と少ない。まして3学期となると実質的な授業ができるのは8時間程度である。卒業を間近にしたあわただしい時期の表現活動は特に綿密な準備が必要である。卒業式へ一日一日と近付いていく緊張感の中での表現活動を通して美しい思い出を作りださせたい。
 押し迫った日程の中で学級共同の大作に挑戦させるために、方法を明確にし、適切な学習課題を設定し、能率よく取り組ませたい。
(5)内容分析(教え育てる要素)
(ア) 美の把握
 視覚言語としての人の形、ポーズの美。
(イ) 主題
 卒業のイメ-ジを人の形、ポーズで捉える。
(ウ) 対象の見方、表し方
 新聞や雑誌の資料を主に、観察を従にして表現する。-以下この項省略-
(6)指導過程 (課題構成)
課題1 自分のイメ-ジに合ったポーズを考える。(身の回りにあるスナップ写真、新聞、雑誌等の中から気に入った人間のポーズを見つけだしてデッサンをするなどして考える。)(1時)
課題2 全紙の薄い紙に思い思いの描き方で   人間の形をしっかりと描く。全体と部分のバランスに注意し、お互いをモデルにするなどして細部を修正する。(1時)
課題3 人間の形に他のイメ-ジをダブらせたり、メッセージを加えたりして主題を強調するなどの表現の工夫をし、下絵を完成する。(1時)
課題4 課題3の下絵をハサミで切り、型紙とする。
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課題5 (共同制作に入る)全員の型紙を大きな紙に乗せて、全員のアイデァを出し合って構成を考える。全員のポーズの構成によって学級のイメ-ジを生み出す。そして、それぞれの作品を配置する位置を決めて転写する。(1時)
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課題6 全体のまとまりを考えながら、一人一人が卒業式にふさわしい祝祭のイメ-ジで派手に彩色する。(2時)
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課題7 自分の名前やメッセージを書き入れたりして、細部を仕上げ、共同制作を完成させる。       (2時)
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課題8 学級全員で完成作品をバックに記念撮影をするなどして完成の喜びを味わう。次に卒業式場に展示し、式当日に正式に披露する。 
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(7)指導のポイント
 この作品では、完成のイメ-ジとしてグランドで思い思いに遊び、跳びはねているような自由と散乱のイメ-ジを重視する。作品の画面上の中心はあるが、一人一人の人の形、ポーズは等価値であり、その構成の差異によって共同作品としてのオリジナルなイメ-ジを生みだすのである。その意味で、課題5では一人一人の型紙を自由に動かして全体の構成を工夫し、一人一人のポーズによって視覚的な美しさ、響き合いが作りだされるように留意して構成し、学級全員の共同・協力による絵画を生み出していく。
*残された作品は次年度の数ヶ月間展示され、学校生活を盛り上げる役目を果たす。
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(この題材はY中で1988〜89の3年間実践された。この実践を元に、J中で「パズルメッセージ」を開発した。)
   


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